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機運が高まっているインターネット投票
日本国内ではネット投票の実現を公約に掲げる政党も出てきている他、すでに実施に向け動いている自治体も現れ始めています。
特に国政選挙における投票率の低さが問題となっている日本では議論の余地がある一方で、その導入には技術面や公選法改正などの課題もあり、多くの観点から議論されています。
- 2024年に行われた衆議院選挙の投票率は53.85%
- 2022年に行われた参議院選挙の投票率は52.05%
現在、総務省は選挙管理委員会と連携しながら在外投票におけるネット投票の導入に向けたシステムの構築を進めています(在外選挙インターネット投票システム)。
日本の投票率

2024年に国政選挙を実施した国と投票率の一覧

エストニアの導入事例
2005年に世界で初めてインターネット投票を導入したエストニアでは国政選挙でインターネット投票を実施しています。
2023年の議会選挙では投票者全体のうち51.1%がネット投票を利用しており、ネット投票が大きく普及していることが分かります。

メリット
投票率の向上
インターネット投票では投票所に出向く必要がなくなるため、投票における利便性が向上します。
移動が困難な高齢者や障害者・海外在住者や地方在住者など投票所までの移動が不便な人々にとって投票がより容易になります。
また、デジタル技術に慣れている若年層による投票率の上昇も期待されます。
自治体の負担軽減
投開票所の運営には人員と費用がかかり、自治体にとっては大きな負担となります。
投票がオンライン化されることで、そういった選挙運営にかかるコストを抑えられる可能性があります。
デメリット
セキュリティの問題
国内外からのハッキングや不正アクセス、データの改ざんなどのリスクがあり、そういった事が起きた際には選挙の公平性や投票者のプライバシーが損なわれる恐れがあります。
- 投票データが不当に修正され、実際の結果が歪められる『改ざん』のリスク
- 投票者の個人情報(氏名、住所、投票行動など)が盗まれる『データ盗難』のリスク
- 投票サイトをシステムダウンさせ投票が妨げられる『サイバー攻撃』のリスク
- 他人から望まぬ投票を強制させられる『強要』のリスク
デジタル格差
デジタルに疎い層の人々にとってネット投票はハードルが高いかもしれません。こういったデジタル格差が投票格差に繋がるリスクも考慮しなければなりません。
そういった問題に備えて、ネット投票と従来型投票の併用によるバックアップを行う場合、「行政コストの削減」というネット投票のメリットの一つが損なわれてしまう可能性があります。
逆に若年層の投票行動に関しては、若年層に大きい影響力を持つユーチューバーやインフルエンサーに票が流れるのではないかという懸念の声もあります。